骨粗鬆症は自分で防げる？女性ホルモンとカルシウムの関係

誰もが歳を取ります。歳をとるということは、考えたくありませんが、体が衰えていくことでもあります。見た目で分かるシワなどもありますが、やはり怖い”衰え”といえば体の内部の衰えではないでしょうか？中でも女性は生理が終わった閉経後に女性ホルモンの量が減少すると骨が脆くなるといわれています。これにはきちんとした理由があります。

一般的に骨密度は50代前後から急激に低下します。これは歳をとると腸からカルシウムを吸収する力が弱まることとが起因しています。また骨も代謝を常にしており、古いものは排され（骨吸収）、新しいものが作られ（骨形成）、両方のバランスが取れることで骨密度が保たれるのですが、歳をとると骨吸収のスピードに骨形成が追いつかないということが発生しやすくなります。

女性ホルモンの一種”エストロゲン”は、骨吸収を緩やかにし、カルシウムの流出を防ぐ働きがあります。つまり、ただでさえ骨密度を保つのが難しい時期にカルシウム流出のストッパーである女性ホルモンまで減少すると、骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、骨が脆くなるのです。

■まずは自分の骨を知ろう！

閉経をむかえた、50代を過ぎたといった場合、誰にでもあるリスクとして骨密度の低下があることを頭の片隅にでも良いので入れておいてください。

そしてできることなら意識的に”骨量測定”で自分の骨の状態を把握するようにしてください。これだけの意識でも、もし骨密度が激減していることに気づけば対策が打てます。

骨量測定は近隣の病院だけでなく、自治体や会社などの定期健診オプション等での受診ができるところもあるようです。制度を上手く活用し、自分の骨を知りましょう。

■カルシウムの摂取

厚生省では、カルシウム摂取量の上限値を2300ミリグラムに決めています。牛乳約2リットル分です。これはカルシウムを制限するためのものではなく、これだけとっても安全という意味に解釈すべきでしょう。

出典: http://www.jpof.or.jp

なんと、牛乳の1リットルパック2本分とは！牛乳の苦手な筆者には到底無理な摂取量です。でも、カルシウムを含む食材は海草や小松菜等、世の中に多く存在します。それらの食材を上手く食事に取り入れ、積極的にカルシウムを摂取していくことも大切です。

また、スナック菓子や、インスタント食品には要注意です。リン酸ナトリウムという食品の形状を維持する成分が入っており、適量異常の摂取でカルシウムの排出を促してしまうからです。

そのため、スナック菓子などを摂取する際にはカルシウムも一緒に摂取するなどの工夫を凝らす必要があります。

また、食材での摂取だけでは限界が･･･という人には、カルシウム系のサプリもあります。正しい摂取量と用法を守って、体内にカルシウムを取り込みましょう。

■体を動かそう！

歳をとるとどうしても体を動かすのが億劫になりがちです。しかし体を動かさないということは、骨に負荷をかけることがなくなるということに繋がります。骨に負荷がかからないと、カルシウムを骨に蓄えるくせがつかず、慢性的なカルシウム不足を生み出すことになります。

だからこそ普段から、意識的に体を動かすようにしましょう。ただし、無理な運動は骨密度が下がった状態だと骨折にもつながりますので、無理のない範囲で取り組むようにしましょう。

前述もしましたが、誰にでも骨密度の低下はやってきます。気づかないうちに骨がスカスカになっていて、ちょっと転んだだけなのに骨折、なんていうことも十分にありえます。

また女性は、骨密度の急激な低下に、生理が終わりをむかえることで拍車がかかります。

60歳代では2人に1人、70歳以上になると10人に7人が骨粗鬆症を起こすような状態になっています。

出典: http://www.y-tokugawa.com

このように骨粗鬆症のリスクも高いので、見えないから、私はまだ元気だからと骨の検査をないがしろにせず、カルシウムを積極的に摂り、自分の骨の健康を維持していきましょう。

また若いうちからカルシウムを摂取し、蓄えるくせを体に覚えさせることで、元気な骨作りをしていきましょう。